柔道好き男の闘病記

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子どもたちが「恐怖」に打ち克つ成長物語

【輸入盤】It [ It / イット それ が見えたら、終わり。 ]

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道化師が見せるのは、その子どもが一番怖いと思っているものである。

そして、子どもが感じる恐怖を吸い取り、それを栄養源として生きているのだ。

1年間活動して栄養を補給した後、27年の眠りにつくというのである。

なにやら猟奇的殺人者なるものを想像していたが、道化師にそんな設定はなく、役割的には子どもの成長のための乗り越えるべき障壁といった感じである。

作中の子どもたちは、いじめや家族関係、恋愛などの様々な悩みを抱えながら生きている。

そのようなナイーブな部分を道化師に利用される形で見せられるのだから、たまったものではない。

こんなトラウマ的な怖さを乗り越えろというのは、酷だと思ってしまった。

 

しかしながら、被害の拡大を防ぐため、彼らは道化師と戦うことを決意する。

敵は1人ひとりをバラバラにして、子どもたちを削りに行く。

彼らは抗いながら、みんなで協力して道化師を倒すことに成功する。

 

すべてが終わった後、もしも未来で道化師が復活した時は、みんなでまた集うことを約束する。

そこには、最初道化師の住処に入ることをためらっていた子どもらの姿はなかった。

 

本作には続編があるようだから、それを見なければなんとも言えないが、総じて子どもの恐怖の対象に大人が設定されているように感じた。

そうした設定がすんなり入って来ないのは、日本とは多少状況が違うことに遠因があるのかもしれない。

終わっても希望が感じられるということがないのは、大人へと近づくということに意味が見出せるわけではないからか。

 

アンディ・ムスキエティ『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』 ギンレイホールにて